三人は、互いの語法を持っていなかった。『Friday Night in San Francisco』の熱はどこから来たのか
1980年12月5日、サンフランシスコのWarfield Theatre。三人のギタリストによるこの記録は、速弾きの名盤として語られてきた。だが聴いたときに来るのは感心ではなく、規模の大きすぎるものを前にした呆然に近い。三人は互いの語法を共有していない。噛み合う瞬間と噛み合わない瞬間が入れ替わり続け、聴く側はそこへ参加できないまま見ている。その構造を、四十年後のギタリストの証言と盤の成り立ちから読む。