Cynicは、なぜ重さと透明さを同じ曲に入れられたのか。音色を減らして余白を残すという設計
Cynicはデスメタルからクリーンへ転向したバンドではない。『Focus』の時点でギター二本、専任のデス・ヴォイス、ボコーダー、フレットレス・ベース、ギター・シンセを同じ編曲の中へ置き、重さを低域とゲインの総量ではなく、異質な音色が交替・透過できる余白として設計していた。1993年の『Focus』から、15年の空白を経た『Traced in Air』、約30本のトラックを重ねた『Carbon-Based Anatomy』、音色を二つへ削った『Kindly Bent to Free Us』、そして2020年に二人を失ったあとの『Ascension Codes』まで、機材史を編曲内の信号配分として読む。