Chuuni Sound Lab

#シンセサイザー

3 本

ノコギリ波の無いゲーム音源チップで、ノコギリ波を弾く

YM2149には、ノコギリ波を出す発生器が無い。それでもYM2149を積んだMIDI音源には、ノコギリ波のvoiceがある。1980年代のプログラマーが使った、エンベロープを可聴域で回すという裏技を、ファームウェアが選択肢の一つに変えたからである。古いゲーム機の音源チップを楽器にするとき、チップの外側では何が決められているのか。Game Boy、NES、SID、Mega Driveのチップを積んだ楽器を並べ、足されたもの、そのまま見せられた制約、閉じられたチャンネル、吸収された個体差、選べる音色に変わった欠陥を読む。

Elektronの歪みは、なぜギターの足元に残らなかったのか。同じ年に出た二つの箱の話

2016年、Elektronは八つのアナログ歪み回路を持つ製品を二つ発売した。片方は卓上のAnalog Heat、片方は足元のAnalog Drive。回路の考え方は近いのに、いま新品で買えるのは卓上のほうだけである。音質でも部品でもなく、プリセットをどう呼び出すかという一点に、シンセの文法とギターの文法の違いが出ていた。優れた設計が別の文化へ渡るとき、何が翻訳されず残るのかを、Elektronの製品史からたどる。

制約が創造性を生んだ会社は、なぜ高機能化すると魅力を失うのか。足すことで薄まるという逆説

愛された定番に、良かれと機能を足し、値段を上げると、その定番を支えた層が離れていく。2015年Gibsonの自動チューナー騒動から、Teenage EngineeringのOP-1へ。制約と手頃さで愛されたOP-1が、Fieldで機能+約2.5倍の価格へ振れ、既存のファンを置き去りにした。愛された製品を、どう更新するか――価格と顧客層から読み直す。

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