Chuuni Sound Lab

#ジャズ

2 本

三人は、互いの語法を持っていなかった。『Friday Night in San Francisco』の熱はどこから来たのか

1980年12月5日、サンフランシスコのWarfield Theatre。三人のギタリストによるこの記録は、速弾きの名盤として語られてきた。だが聴いたときに来るのは感心ではなく、規模の大きすぎるものを前にした呆然に近い。三人は互いの語法を共有していない。噛み合う瞬間と噛み合わない瞬間が入れ替わり続け、聴く側はそこへ参加できないまま見ている。その構造を、四十年後のギタリストの証言と盤の成り立ちから読む。

John McLaughlinは、音を守らなかった。音楽が変わるたび、ギターという入力装置を作り替えた

John McLaughlinは、一つの理想の音を守り続けた演奏家ではない。Mahavishnuの大音量ダブルネックから、Shaktiの改造アコースティック、1980年代のSynclavier、近年のMIDIギターとPRSまで、彼は所属する音楽のリズム・音程・音色を演奏できるように、ギターの役割と身体インターフェースを繰り返し作り替えた。名機の遍歴ではなく、演奏できる音楽の範囲を変える『インターフェース設計史』として読む。

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