Chuuni Sound Lab

#マルチエフェクター

3 本

アンプの音切れは、わざと作られていた

フットスイッチを踏んだ瞬間に音が途切れる。マルチエフェクターやモデラーの不満として定番の話である。だが1999年に出願されたギターアンプのリレー消音回路の特許は、前のモードの残響が次の音に重ならないよう、2〜3秒ミュートする使い方まで挙げていた。いっぽう現在のLine 6 Helixは、プリセットをまたいで残響を鳴らし続けるために、2基あるDSPの片方を差し出す。二台のアンプを切り替えていた時代から、一台に押し込めた時代、そして演算資源の中に二台目を持ち直す時代へ。何を「きれいな切り替え」と呼ぶかが、無音から連続へ変わった経緯を読む。

完成し過ぎたシステムに、後継機は必要か。アンプを主役に残したまま統合したG-Systemの話

TC ElectronicのG-Systemは2005年に登場し、評価も高かったが、同じ名前の後継機は出ないまま終わっている。この製品を古いマルチとしてではなく、手持ちのアンプを主役に残したまま周辺だけを統合した設計として読み直す。4系統のペダル・ループと5本目のプリアンプ・インサート、アンプのチャンネル切替、分離できる処理部。完成度を機能数ではなく「何を主役として残したか」と「判断をどこへ集約したか」で測ると、後継不在の理由も技術停滞では説明できなくなる。Nova System、Fractal FX8、BOSS MS-3、Line 6 HX Effectsを同じ軸に並べる。

アナログマルチという、何度も挑戦された理想。単体か一体型か、の間にある連続体

マルチエフェクターは昔から人気で、主役はアナログからデジタルへ移ってきた。デジタルマルチは音質面の留保に甘んじてきたが、アナログマルチはMaxonのTube Screamer内蔵など品質の問題が少なく、自分のエフェクトを足すループやオン/オフ記録も備える。デジタルの強み(同時数・接続順の可変)は実利用では空振りも多い。アナログマルチの真価は電源と可搬性で、Fly Rigがアナログの側から巻き返した。だがモデラー小型化の時代に、結局はまたニッチへ――という現在地を読む。

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