Chuuni Sound Lab

#音楽制作

2 本

Elektronの歪みは、なぜギターの足元に残らなかったのか。同じ年に出た二つの箱の話

2016年、Elektronは八つのアナログ歪み回路を持つ製品を二つ発売した。片方は卓上のAnalog Heat、片方は足元のAnalog Drive。回路の考え方は近いのに、いま新品で買えるのは卓上のほうだけである。音質でも部品でもなく、プリセットをどう呼び出すかという一点に、シンセの文法とギターの文法の違いが出ていた。優れた設計が別の文化へ渡るとき、何が翻訳されず残るのかを、Elektronの製品史からたどる。

アナログマルチという、何度も挑戦された理想。単体か一体型か、の間にある連続体

マルチエフェクターは昔から人気で、主役はアナログからデジタルへ移ってきた。デジタルマルチは音質面の留保に甘んじてきたが、アナログマルチはMaxonのTube Screamer内蔵など品質の問題が少なく、自分のエフェクトを足すループやオン/オフ記録も備える。デジタルの強み(同時数・接続順の可変)は実利用では空振りも多い。アナログマルチの真価は電源と可搬性で、Fly Rigがアナログの側から巻き返した。だがモデラー小型化の時代に、結局はまたニッチへ――という現在地を読む。

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