Chuuni Sound Lab

#Anthrax

2 本

バンドの同一性は、メンバーの総和ではない。前任者が「劣る」ではなく「違う」と言った理由

ボーカルが替わったバンドは、たいてい良いか悪いかで語られる。だが交代を経験した当事者の言葉を並べると、別の軸が出てくる。Robert Frippはグループをメンバーとは別の存在として定義し、Tommy Leeは前任者の曲を後任が歌うことを「カバーのようだ」と言い、AnthraxのJoey BelladonnaとIron MaidenのBruce Dickinsonは、それぞれ自分の後任を「劣る」ではなく「違う」と位置づけている。バンドの同一性を、固定されたメンバーではなく、何を変えてよいかという許容領域として読み直す。

『Sound of White Noise』は、なぜ突然「現代の音」になったのか。デジタル化ではなく、直前の一年に作られた方法が運ばれてきた

1993年のAnthrax『Sound of White Noise』は、前作から音が突然「現代」へ移ったように聴こえる。だが前作も一流スタジオで録られ、著名なミキサーとマスタリング技師が付いていた。設備が上がったという説明は成り立たない。変わったのは制作チームである。プロデューサーのDave Jerdenは、この作品のギターを直前の一年に完成させた方法でそのまま録ったと述べている。ギターを三台のアンプへ分岐させ、帯域ごとに担当を割り振り、ミックスでフィルターを使って交差点を作る。engineerのBryan Carlstromは、その入口をSM57一本とSummitの真空管機材へ絞った経緯を語っている。音は年代ではなく、人が運ぶ。

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