John Wettonは、同じ音を持ち込まなかった。バンドが変わるたび、自分の機能を作り替えた
King Crimson、U.K.、Asia。John Wettonは三つのバンドで、まったく違う音楽を成立させている。だが「どのバンドでも自分の色を出した」という説明では足りない。本人の言葉を並べると、彼が変えていたのは音色ではなく、アンサンブルの中での自分の機能だった。主導権を取り合う即興のベーシストから、歌を担う支柱へ。そして曲を最優先する共作者へ。
3 本
King Crimson、U.K.、Asia。John Wettonは三つのバンドで、まったく違う音楽を成立させている。だが「どのバンドでも自分の色を出した」という説明では足りない。本人の言葉を並べると、彼が変えていたのは音色ではなく、アンサンブルの中での自分の機能だった。主導権を取り合う即興のベーシストから、歌を担う支柱へ。そして曲を最優先する共作者へ。
『In the Court of the Crimson King』のクレジットには「Produced by King Crimson」とある。だがその前に、成功したプロデューサーとのセッションが一度捨てられている。降ろされたのは無能な人物ではない。別の音楽で完成していた録音手法だった。積み上げる方法と、まず捕まえる方法。二つの前提がぶつかった事件として読み直す。
Steve Howeの演奏は、テンポが少し怪しく聴こえる。だがライブでも同じ輪郭で再現される。走りやもたつきではなく、拍のどこへフレーズを侵入させるかという時間の設計として聴き直す。設計か天然かを判別できないこと自体が、Howeの魅力を形づくっている。