Chuuni Sound Lab

#ロードボックス

3 本

Groove Tubesは、スピーカーを回路に書き換えていた。1986年の特許と、2008年に残らなかったもの

Groove Tubesは真空管の選別で知られた会社である。だが同じ発想は、真空管の外にも向けられていた。1986年に出願された特許「Emulated guitar loudspeaker」は、スピーカーという動かせない前提を、抵抗とコイルとコンデンサの組み合わせとして書き下している。発明者はAspen Pittmanと、もう一人。そして2008年にFenderがブランドを取得したあと、残ったのは真空管だった。

大音量は、公共財から私有物になった。2010年代に起きた音量の私有化

かつて大音量は、場所を借りなければ手に入らないものだった。スタジオ、ライブハウス、練習場。真空管アンプの本領は、その場所へ行かなければ引き出せない。2010年代に、この前提が崩れる。リアクティブロード、アッテネーター、IR。大音量が個人の部屋の中へ入ってきた。音を出す権利が公共の予約枠から私有物へ移ったとき、機材選びと練習の仕方は何が変わったのか。

ロードボックスとIRは、アンプの「終わり方」を変えた。音はどこで終わるのか

ロードボックスとIRは、スピーカーという最終段を切り離した。だが『スピーカーがデジタルに置き換わっただけ』ではない。リアクティブロードはパワー段の挙動を残し、線形IRはスピーカーの非線形な崩れを取り逃す。そしてKemperプロファイル自体もIRの親戚で、スピーカー層は同じく線形に凍結される。何が残り、何が失われるのか——CSLの記録がIRと本当は何が違うのかまで、正直に掘る。

← タグ