Chuuni Sound Lab

#録音技術史

3 本

ドラマーが書いた曲は、ドラムのために書かれていない

Univers Zeroの1981年作『Ceux du dehors』の冒頭曲「Dense」は、ドラマーのDaniel Denisが書いた12分の曲である。Denisは、曲をドラムから書いたことはほとんどなく、いつも他の楽器から書き始めると述べている。録音でも、ドラムは他の楽器を録り終えてから最後に重ねてきたという。木管や弦の音を覆わないよう、ドラムはオーケストラの打楽器のように使う。複雑な拍子は数えずに、基本の4/4と同じように感じて演奏する。ドラマーが率いるバンドで、緊張を組み立てていたのはドラム以外の楽器の側だった。

Jimmy Pageは、EQの代わりにマイクを遠ざけた

1977年、Jimmy Pageは「Communication Breakdown」のギターについて、アンプを小さな部屋に置き、離れた位置から録ったと説明した。距離が奥行きを作る、という古い録音の格言を、バンド全体の録音で使ってきたという。楽器が正しく鳴っていればスタジオでEQを使う必要は無く、音はマイクで作るべきだ、とも述べている。1stのギターは小型のSuproで録られた。ステージのアンプが大きくなったのは、ドラムの音量と、ツアー先で替えが手に入ることが理由だった。Pageにとって録音の奥行きは、アンプの大きさでもつまみでもなく、距離と部屋で作るものだった。

Zappaの1曲は、15都市の演奏をつないで作られた

Frank Zappaは1982年、スタジオで良いソロを弾けたことは一度もないと思う、と書いた。ソロはライヴの録音から選び、短くするだけで弾き足さない。1982年のアルバムに入った「Drowning Witch」は、土台の演奏そのものが15都市の公演をつないだもので、通しで正しく弾けた公演は一つも無かったという。別の夜の演奏をつなげられたのは、バンドが毎晩同じテンポで弾き、毎日同じ基準に調律していたからである。ギターにはパラメトリックEQが内蔵され、会場ごとにフィードバックの起きる帯域を持ち上げていた。Zappaのギターシステムは、ギターとアンプの外まで続いている。

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