Chuuni Sound Lab

#KingCrimson

3 本

John Wettonは、同じ音を持ち込まなかった。バンドが変わるたび、自分の機能を作り替えた

King Crimson、U.K.、Asia。John Wettonは三つのバンドで、まったく違う音楽を成立させている。だが「どのバンドでも自分の色を出した」という説明では足りない。本人の言葉を並べると、彼が変えていたのは音色ではなく、アンサンブルの中での自分の機能だった。主導権を取り合う即興のベーシストから、歌を担う支柱へ。そして曲を最優先する共作者へ。

『In the Court of the Crimson King』は、一度録り直されている。成功した制作手法が、次の音楽と噛み合わなかったとき

『In the Court of the Crimson King』のクレジットには「Produced by King Crimson」とある。だがその前に、成功したプロデューサーとのセッションが一度捨てられている。降ろされたのは無能な人物ではない。別の音楽で完成していた録音手法だった。積み上げる方法と、まず捕まえる方法。二つの前提がぶつかった事件として読み直す。

Robert Frippは、音色ではなく方法論を設計した。仕組みを作るという演奏思想

ほとんどのギタリストは、音色を選ぶことで自分の音を作る。Robert Frippがやったのは、音を出す仕組みそのものを設計することだった。二台のテープレコーダーを繋いだFrippertronics、Roland GR-300による音源の置き換え、Eventide H3000を軸にしたSoundscapes。機材が変わっても一貫しているのは、演奏の前に系を作るという態度である。音色を設計するのではなく、方法論を設計するとはどういうことか。

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