同じプロファイルでも、使う場面によって選ぶべきものは変わる。
宅録で気持ちよかった音が、ライブでは埋もれる。配信に乗せると、思ったより細く聞こえる。場面ごとに、音に求められる条件が違うからだ。
CSLのプロファイルは、名前にマイクと位置を残している。だから、場面ごとの選択が、試聴の前に名前の段階からできる。ここでは、その選び方を書く。
ライブでは、抜けを名前から選ぶ
ライブでは、まず中域の抜けを優先する。理由は、音がどう重なるかにある。
大きなPAを通し、ベース、ドラム、ボーカル、鍵盤と、大音量で帯域を奪い合う。ここで低域を欲張ると、ベースやキックと同じ帯域でぶつかり、PA全体でぐしゃっと濁って、かえってギターが前に出なくなる。低音は「迫力」に聞こえて、実は他の楽器の居場所を潰す。バンドの中でギターが位置を保つのは、低域の量ではなく、中域の芯だ。人の耳がもっとも敏感な帯域でもあり、ここに芯がある音は、多少音量で負けても埋もれない。
CSLの命名で言えば、SM57でC(Center)の一本が、この用途に向くことが多い。SM57は低域を欲張らず締まって前に出るダイナミックマイク、Centerはコーンの中心を狙う直接的で芯の出る位置だからだ。歪みは、T10のように上げきった設定より、T5前後の余裕がある設定のほうが、どんなPAや箱でも暴れにくく、扱いやすい。名前を見て、SM57_C で T5 前後、という組み合わせを、試す前から当たりにできる。
配信では、聴かれ方から選ぶ
配信では、リスナーの再生環境を思い浮かべる。ここが宅録やライブと決定的に違う。
スマホの内蔵スピーカー、片耳イヤホン、ノートPCのスピーカー。多くのリスナーは、低域をまともに再生できない小さな装置で聴く。つまり、こちらがどれだけ低音を作り込んでも、その帯域は相手に届かない。届くのは中高域だけで、そこの情報量で印象のほぼ全部が決まる。だから配信では、迫力を狙うより、輪郭とニュアンスが小さなスピーカーでも伝わる音を選ぶ。
とはいえ、中高域を強くしすぎると、今度は小さな装置で耳に刺さり、細く聴き疲れする音になる。そのバランスを取りたいとき、GT67の太さや、E(Edge)の落ち着きが助けになる。GT-67の真空管コンデンサは太く丸い質感を持ち、細さを補う。Edgeはコーンの端を狙う位置で、高域が少し落ちて聴き疲れしにくい。名前でGT67やEを探せば、配信向けの候補が絞れる。最後は、実際に自分が配信で使う環境——スマホでいい——でモニタして決めるのが、いちばん確実だ。作った音ではなく、届く音で判断する。
一本の最強より、場面ごとの手札
宅録は細部を作り込む場、ライブと配信は別の装置へ音を届ける場だ。
だから、一本の「最強のプロファイル」を探すより、場面ごとに手札を持っておくほうが実戦的だ。ライブ用にSM57_C、配信用にGT67_E、宅録用にブレンド、という具合に役割を決めておく。その日の環境に合わせて出せる。
条件が名前にあるから、手札を組める
これができるのは、CSLが名前に条件を残しているからだ。
マイクも位置も設定も名前で読めるから、「抜ける一本」「馴染む一本」「落ち着いた一本」を、あらかじめ仕分けられる。同じアンプの設定・マイク違いがそろっていれば、場面ごとの手札は一台分の中で組める。
まずは無料サンプルで、SM57とGT-67の性格の違いを耳に入れてほしい。手札を組む土台になる。
- 無料サンプル(3本): https://buy.polar.sh/polar_cl_GgCvrtzJiyEoZyvqUvz5mUUIlMm13zfrkP9pR0SW3ho
- プロファイルパック(24本): https://buy.polar.sh/polar_cl_FJl9BVIQ8Jq2HRMt36jw4g4IT3vJ7fXGKlnRs0BKI6b
まとめ
ライブと配信では、選ぶべきプロファイルが変わる。
ライブは抜け、SM57のCと余裕のある設定。配信は聴かれ方、GT67やEの落ち着き。一本の最強を探すより、名前を手がかりに場面ごとの手札を組むほうが実戦的だ。
CSLの命名は、その仕分けの目印になる。場面に合わせて選んでほしい。