Chuuni Sound Lab

#Kemper

30 本

アンプの音切れは、わざと作られていた

フットスイッチを踏んだ瞬間に音が途切れる。マルチエフェクターやモデラーの不満として定番の話である。だが1999年に出願されたギターアンプのリレー消音回路の特許は、前のモードの残響が次の音に重ならないよう、2〜3秒ミュートする使い方まで挙げていた。いっぽう現在のLine 6 Helixは、プリセットをまたいで残響を鳴らし続けるために、2基あるDSPの片方を差し出す。二台のアンプを切り替えていた時代から、一台に押し込めた時代、そして演算資源の中に二台目を持ち直す時代へ。何を「きれいな切り替え」と呼ぶかが、無音から連続へ変わった経緯を読む。

FRFRは、2ウェイでなければならないのか。Jensen D Seriesと、「手応え」を別々の物理量で説明する各社

モデラーやプロファイラーの出口には、たいてい2ウェイのフルレンジ・スピーカーが置かれる。だがJensenのD Seriesは、紙コーン一枚とボイスコイル前方のホーン状の負荷だけで12kHzを大きく超えると書いている。クロスオーバーを使わない。同じ時期に、Celestion、Line 6、Kemperもそれぞれ別の答えを出した。並べて読むと奇妙なことに気づく。各社が「手応え」と呼ぶものの原因として名指しする物理量が、まったく一致していない。

KemperとNAMは、何が違うのか。IRだけが、どちらにも載る理由

KemperとNAMは、同じ「アンプを保存する道具」に見える。だが実際に比べると、やっていることは驚くほど近く、違うのは別の場所にある。どちらもアンプの非線形応答を推定し、どちらも「スピーカーを含めて録るか、外して録るか」という同じ二択を持つ。分かれるのは、その形式がどこに住んでいるか。そしてIRだけが、なぜ両方に載るのか。線形という一語が、その理由になっている。

廃番になった箱は、どこへ行ったのか。メーカー公式IRという、選ばれたキャビネット史

アンプメーカーが自社キャビネットのIRを配る時代になった。Soldanoは廃番世代や個体限定の箱までIRライブラリに並べ、Laneyは現行の一台を小型コンボの中へ複製し、ENGLは自社キャビ群を比較できる形で列挙する。だがIRは線形の一断面で、収録条件も選定理由も公開されない。保存されたキャビネット史は、誰かが選んだ目録である——モデラーのキャビリストを歴史の資料として読み直す。

存在しなかったアンプを、作れるか。AIは名機の模倣で終わるのか

デジタルモデリングの40年は、ほぼ全部が模倣に費やされてきた。Plexi、Twin、Rectifier。実在した名機を、どれだけ正確に写せるか。それは正しい努力だったが、同時に想像力の上限を決めてもいた。物理的に作れなかったアンプ、真空管では成立しない振る舞い、演奏に応じて構造が変わる装置。存在しなかったアンプを設計することは可能なのか。模倣が終わったあとに何が残るのかを考える。

宅録・DTMで、小型アンプのプロファイルが効く理由

宅録では、大型アンプの迫力より、小型アンプの収まりのよさが効く。CSLが最初の商品に選んだ5Wコンボ、Greco GVA CUSTOMを例に、なぜ内蔵の8インチスピーカーごと記録するのか、その音が宅録で強い理由を書く。

ライブと配信で、Kemperプロファイルをどう選ぶか

同じプロファイルでも、ライブと配信では選ぶべきものが変わる。CSLは名前にマイクと位置を残しているので、場面ごとの選択が名前の段階からできる。ライブは抜け、配信は聴かれ方。CSLの命名を手がかりにした選び方を書く。

100本の記録を、弾ける形にして渡す

この記事で100本目になる。ここまで、ずっと同じことを書いてきた。消えていく音を、条件ごと記録すること。その記録を、読むだけで終わらせず、実際に弾ける形にして渡す。CSLがKemperプロファイルを売る、その理由を書く。

CSLが記録してきたアンプの地図。ここまでに残したもの

Chuuni Sound Labがこれまで記録してきたアンプを、系統ごとに地図として並べる。90年代の物量、ハイゲインの系譜、ラックと小型化、ブティック、そして収録の思想まで。どこから読んでも、CSLが何を残そうとしているかが見えるようにした索引。

直販ブランドの小型コンボを記録する。Carvin Vintage 16

Carvinという米国の直販ブランドの出自を整理し、その小型コンボVintage 16という一台の魅力を確認する。EL84の鳴り、16W/5Wの出力切替、Celestion V30、そしてツイード柄ビニールという外装まで。CSLがこのコンボを実機スピーカーごと記録する話につなぐ。

KemperのInputは、なぜ軽視できないのか

KemperのInputセクション、特にClean SenseとDistortion Senseが、プロファイルの反応をどう左右するのかを整理する。ギター差が入力信号として現れる仕組みと、CSLが入力条件を揃える理由をあわせて説明する。

実機アンプを記録するとは、何を残すことなのか

同じ型番のアンプでも個体差はある。だがCSLが記録しているのは「ベストな一台」ではなく、収録条件を明示した「この条件で鳴らした、この一台」である。個体差を不安材料ではなく、条件を残す前提として整理する。

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