Chuuni Sound Lab

← 記事一覧へ  ·  プロファイル

標準プロファイルは、EQで補正するものではない。だからCSLは設定を録り分ける

2026-07-04

Kemperで音を変えたいとき、多くの人はGainやEQのつまみを回す。だが標準プロファイルでは、その操作は実機のノブとは別物だ。CSLはそこを補正で誤魔化さず、実機の設定そのものを録り分けることで解いている。その理由を書く。

Kemperで音を変えたいとき、多くの人はまずGainとEQのつまみを回す。

自然な操作だ。だが、標準プロファイルでこれをやると、途中で妙な頭打ちを感じることがある。低音を上げても実機のようには膨らまない。高音を足すと、痩せて硬くなるだけ。「このアンプらしさ」から、どんどん離れていく。

理由は、はっきりしている。標準プロファイルのEQは、実機のノブではないからだ。

標準プロファイルのEQは、実機のトーンスタックではない

まず、仕組みの話をする。ここを押さえると、あとの話がすべてつながる。

標準プロファイルは、そのアンプがある設定で鳴っていた音を、いわば一枚の写真として捉えたものだ。歪みも、EQのかかり方も、コンプ感も、すべて「その一瞬の状態」として静止画に焼き込まれている。KemperのGainやEQは、その写真の上から後付けでかける汎用の補正であって、実機の内部にあるトーンスタック回路そのものを再現しているわけではない。写真をレタッチで明るくするのと、被写体に当てる照明を変えるのが、まったく別のことなのと同じだ。

ここが決定的だ。実機のトレブルやベースのノブは、単に帯域を上げ下げしているのではない。トーンスタックは歪みを作る回路と絡み合っていて、ノブを回すと、歪みの質、コンプの効き、弾いたときの食いつきまでが一緒に動く。低音を上げれば、ただ低域が増えるのではなく、その低域が歪みを駆動して、音全体の押し出しやざらつきまで変わる。標準プロファイルの後付けEQには、この連動がまるごと無い。上げ下げすれば帯域は動くが、実機がそのノブ位置で見せる「表情の変化」までは付いてこない。だから、回すほど痩せた「補正した音」に寄り、生き生きした「実機の音」から離れていく。頭打ちを感じるのは、気のせいではなく、仕組みの必然だ。

Liquid Profilingは、その回路を模したもの

この限界に応えたのが、Kemperの後発機能であるLiquid Profilingだ。

Liquid Profilingは、実機のトーンスタックの挙動そのものをモデル化する。だからKemper側のトレブルやベースを回すと、実機のノブを回したように反応する。逆に言えば、それができるのはLiquid Profileの話であって、標準プロファイルには当てはまらない。

CSLが今扱っているのは、この標準プロファイルだ。だからこそ、EQ補正でどうにかする、という前提を取らない。

CSLの答えは、設定そのものを録り分けること

補正で「それっぽく」するのではなく、実機の設定を実際に変えて、そのつど録る。

たとえば最初の商品、Greco GVA CUSTOMでは、アンプのTrebleとBassのノブを四つの位置に変えて収録している。T2.5/B5、T5/B5、T7/B4、T10/B7。丸く暗めの設定から、明るく開いた設定まで、実機がそのノブ位置で本当に鳴っていた音が、そのまま四枚の記録になっている。

だから、明るくしたいなら、EQを上げるのではなく、Trebleを上げて録った一本へ差し替える。それは補正ではなく、実機の別の設定を選ぶことだ。表情ごと切り替わる。

だから、選ぶことに意味がある

この考え方だと、プロファイルの数は「バリエーションの多さ」ではなく、「選べる実機の設定の多さ」になる。

CSLが設定違い・マイク違い・位置違いを録り分けているのは、そのためだ。名前を読めば、どの設定の記録かが分かる。EQのつまみで無理に近づけるより、最初から狙いの設定で録った一本を選ぶほうが、実機の質感を保ったまま目的地に着く。

もちろん、取り込んだあとに軽く整えるのは自由だ。曲に馴染ませる程度の微調整は普通に使う。ただ、音の骨格は補正で作るものではなく、録り分けた設定から選ぶもの。そこがCSLの立場だ。

まずは無料サンプルで、この「選ぶ」感覚を確かめてほしい。フラット設定のマイク違い3本を、EQを触らずに聴き比べるだけで、選択で音が変わる手応えが分かる。

まとめ

標準プロファイルのEQは、実機のトーンスタックではない。だから、つまみで補正するほど実機の音から離れる。実機のノブ挙動まで再現するのはLiquid Profilingの領域だ。

CSLは標準プロファイルを、補正でごまかさない。実機の設定を実際に変えて録り分け、選べるようにしている。GVAのTreble/Bass四設定は、その考え方の具体だ。

音の骨格は、EQで作るのではなく、録り分けた設定から選ぶ。まず無料サンプルで、その手応えを確かめてほしい。

関連記事

noteで読む・スキやコメント ↗