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5Wの小さな一台を、内蔵スピーカーごと。Greco GVA CUSTOM を記録した

2026-07-23

Greco GVA CUSTOM の中身を詳しく見る。12AX7×1+6V6×1 の 5W シングルチャンネル、Volume と Treble/Bass だけのシンプルな設計、前所有者が Groove Tubes・Tung-Sol・Jensen C8R に整えた個体。その一台を内蔵スピーカーごと記録した Kemper プロファイル集の話。

5Wの小さなコンボが、ボリュームひとつで表情を変えていく。Greco GVA CUSTOM を、内蔵スピーカーごと記録した。まず、この見た目によらない一台の中身から見ていく。

Greco GVA CUSTOM とは、どんなアンプか

Greco は日本のブランドだ。1970年代のいわゆるコピーモデルの時代から、ギターで名を知られてきた。だからアンプの「Greco」となると、知っている人は少ない。棚に並んでいた記憶も、「あの音」という共通イメージも、世にほとんど無い——だからこそ記録する価値がある。

GVA CUSTOM は、その Greco の名を冠した小型のオールチューブ・コンボだ。2008年の一台(Kemper のリグ・メタに残る製造年)。大出力でも多機能でもない。5W・シングルチャンネルという、いちばん素朴な構成で、真空管そのものの声を聴かせる方に振った設計だ。

回路とスペック

  • プリ管: 12AX7 ×1
  • パワー管: 6V6 ×1
  • 出力: 5W
  • チャンネル: 単一(チャンネル切替なし)
  • スピーカー: 8インチ(この個体は Jensen C8R に換装済み・後述)
  • 形式: 小型コンボ

6V6 のシングルエンド 5W。深い歪みを叩き出す設計ではない。クリーンから軽いクランチまで、小さな音量でも真空管が飽和しはじめる領域を、素直に鳴らす一台だ。

コントロール

  • Volume — 音量。上げていくほど音の重心が動く(後述)
  • Treble / Bass — トーン。この2つで音の明暗を作る

派手なマスターやゲイン段、チャンネル切替は無い。ノブは少ない。だからこそ、Volume と Treble / Bass の兼ね合いだけで音を決める、シンプルな設計になっている。

この個体の状態(前所有者の換装込み)

この個体は、前の持ち主がプリ管を Groove Tubes GT-12AX7-R、パワー管を Tung-Sol 6V6、スピーカーを Jensen C8R(8インチ) に換えている。CSLはそこを戻さず、整えられた状態のまま記録した。つまり、これから聴く音はこの換装込みの声だ。買う前提として、そこは正直に開示しておく。

(なぜ工場出荷そのままでなく「前所有者に整えられた個体」を録るのか——その考え方は別記事「前所有者に整えられた小型アンプを、なぜ記録するのか。Greco GVA CUSTOM」に書いた。ここでは音と収録条件に絞る。)

音の性格と、4設定が押さえている幅

このアンプは Volume を上げると表情が変わる。小さく鳴らすとエッジのある明るい音、上げるにつれて重心が中域へ移り、角が取れて暖かく落ち着く。歪みは深くならず、荒れる手前で踏みとどまる。宅録やクリーン主体、暖かいクランチに向く5Wの声だ。

そのうえで、このパックは Volume ではなく Treble / Bass の4設定で音の明暗を押さえている(設定は次節)。同じ暖かさの中で、丸いか・締まるか・開くかを選べるようにした、というのがこのパックの設計だ。

どう収録したか

このコンボ本来の 内蔵スピーカー(Jensen C8R / 8インチ) で、実機スピーカーごと記録した。12インチの基準キャビに差し替えていない。この小さな箱が実際に鳴らしていた空気そのものだ。標準プロファイル(Liquid Profiling 不使用)、エフェクトなし。

収録チェーンは、同一DI信号を Radial EXTC-500 でリアンプして条件をそろえ、マイクプリは SymProceed SP-MP500、ブレンドは Soundcraft LM1 で混合している。

4つのアンプ設定

パックは、Treble / Bass を変えた4つの設定を軸にしている。値がそのまま名前に入っている。

  • T2.5_B5 — 丸く暗め。トレブルを絞った暖かい方向
  • T5_B5 — バランス。迷ったらここから
  • T7_B4 — 明るく締まる。抜けを作った設定
  • T10_B7 — 最も明るく開いた鳴り

名前は道しるべ、実際のノブ位置は表で全部見せる。それがCSLの方針だ。

マイクと位置は、選べる

各設定は、マイク3構成(SM57 / GT-67 / 60:40ブレンド)× Center / Edge で収録している。

SM57は締まって前に出る。GT-67は太く丸い。ブレンドはその中間。Centerは芯が出て、Edgeは柔らかく暗い。同じ設定でも、ミックスの中でどう座らせたいかで選べる。

何を売っているか

最高の音でも、唯一の正解でもない。Greco GVA CUSTOM を、その内蔵 Jensen C8R で鳴らしたときの記録を、弾ける形にして渡す。良いところもクセも、そのまま残してある。

弾いたときの反応は、使うギター・ピックアップ・ボリュームでも変わる。まずは無料サンプルで、あなたのKemperと耳で確かめてほしい。

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免責

Greco、GVA CUSTOM 等の名称は各権利者の商標、Jensen / C8R は Jensen の商標です。Chuuni Sound Lab は独立した制作者であり、各メーカーとの提携・公認・スポンサー関係はありません。機種名は収録した機材を説明する目的でのみ使用しています。Kemper / Profiler は Kemper GmbH の商標です。

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