Chuuni Sound Lab

#Marshall

11 本

Marshallが望まなかった球は、なぜ90年代の音になったのか。EL34の供給難と、5881を積んだ現行機たち

1990年代のMarshallには5881を積んだ機種がある。公式ハンドブックは5881を選んだ球として説明し、創業者本人は不本意な措置だったと語る。同じ会社の文書が球について三通りの態度を取った時期に、演奏家の側では何が起きていたのかを、Deftones、Rush、Oasisの構成から追う。

ハイゲイン・アンプが内部へ取り込んだのは、音色ではなく再現の条件だった。歪みは長いあいだ、アンプの外側で組まれていた

1970年代のハードなギターは、歪みの量で作られていたわけではない。Blackmoreは低い飽和のまま出力段を鳴らし、Iommiは歪みの担当をブースターと弦へ配り、Mayは帯域を選んで飽和させ、Rhoadsはゲイン源をペダルに置いた。アンプ内部でゲインを作る回路は1972年には買えたのに、1978年の基準音は1967年製のヘッドと可変電圧トランスで録られている。後のハイゲイン・アンプが内部化したのは、その音色ではなかった。

クローンは、劣化コピーなのか。Marshall系の模倣が受け継いできたもの

ギターアンプの歴史は、模倣の歴史でもある。MarshallはFender Bassmanを写すところから始まり、その回路は無数のブティックメーカーへ受け継がれた。モディファイ、クローン、リイシュー、そしてデジタルの再現。似せるという行為には何段階もの水準があり、それぞれ別のことをやっている。何を写し、何を変えるのか。模倣という行為を、設計の側から評価し直す。

SL-XとFriedmanの間にある距離

SL-XとFriedmanは、どちらも「Marshallをもっと歪ませる」系譜にある。だが一方は本家が量産機として出した回答、もう一方は改造Marshall文化を少数生産で洗練させたブティックである。似ているようで、この二台の間にははっきりした距離がある。その距離を、荒さと整いという軸で見る。

5881仕様のMarshallをどう見るか

MarshallといえばEL34という前提を一度外し、90年代Marshallに存在する5881仕様を、JCM900 SL-Xと6100LMを通じて考える。硬さ・締まり・レンジ感と、EL34的な中域との違いを整理する。

JCM900 SL-Xと6100LM Ch3は何が違うのか

どちらも90年代Marshallの高ゲインだが、6100LMは全部入りアンプのリードチャンネル、SL-Xは単チャンネルMarshallの延長にある。同じ「Marshallのリード音」でも、設計の出発点が違う二台を実機で比較する。

JCM900 SL-Xは、90年代ハイゲイン競争のMarshall側の回答だった

JCM900 SL-Xは、JCM800を素直に進化させた一台ではない。Soldano、Mesa/Boogie、改造Marshall、ラック機材が押し進めたハイゲイン競争のただ中で、Marshall本家が量産機として出した回答だった。洗練ではなく、量産Marshallとしての荒さという視点から見直す。

「JCかJCM900しかない時代」の記憶を再検証する

90年代から2000年代初頭の日本のリハスタには、JC-120かJCM900しかない、という時間が確かにあった。その記憶が、JCM900というアンプの評価を実際以上に下げていないか。体験の記憶と機材そのものの評価を、いったん分けて考える。

JCM900 SL-Xは「失敗作JCM900」なのか

「JCM900は失敗作」という印象は、どこから来たのか。Dual Reverb・MkIII・SL-Xを分けて考え、単チャンネル高ゲインMarshallとしてのSL-Xを、健康な実機で確認し直すというCSLの視点。

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